一年前の吉開が出演している短編映画、「自転車乗りの少女」を公開します。那須短編映画祭2013で初公開され、じゃらん賞をいただきました。ラストの挿入歌は柴田聡子さんで、「景色がある」。
那須では、たったひとりで実際のチャリを使ってロケハンしていました。毎日、山の頂上からふもとまでびゅんと駆け巡り、帰りは、頂上まで9kmの道のりをチャリをこいだり、押したり引いたりエンヤコラさとがんばって、頂上にある旅館まで帰っていました。旅館の館長さんは、那須短編映画祭の主催者です。無理を言って、作品制作中、旅館の一室にずっと寝泊まりさせてもらっていました。周りにスーパーとかなにもないので、旅館で毎朝炊いている白ご飯や、キャンセルで余ったディナーや、館長さんからのあたたかい差し入れなどをいただいて、なんとか食いつないでいました。
ずっと毎日自転車で巡っていたので、那須の方々に顔を覚えられて、たまに励まされたりジュースをもらったり、裏山で捕れた猪肉をもらったこともありました。会う人会う人、みんな優しかったです。
この作品の、車輪の音を聞いていると、那須滞在中に出会って別れた人々や、急に降られた雨とか、山で吹いていた風とか、那須のいろんなことを思い出します。自転車旅行は、生身のからだむき出しの状態で、いつもとは違うスピードで、いろんなものとすれ違い続ける、すばらしいイベントです。まさにあのころの自分を撮った、ドキュメンタリだとも思っています。
力技で撮りあげた作品です。初公開から一年経ったので公開します。ぜひ観てください!